2018.11.25 奥多摩越沢バットレス

 朝夕めっきり冷え込む時候となりました。今秋2度目の越沢バットレスはマルチピッチ実践講習です。外岩シーズン真っただ中だけあって、岩の冷たい朝早くから複数のパーティが取り付いていました。越沢バットレスは北向きで日当たりが悪いために朝一は手がとても冷たいのです。そんな時は使い捨てカイロをチョークバックに放り込んでおくとよいでしょう。スタッフ鈴木のオススメは、めっちゃ熱いカイロ「マグマ」です。

 早速装備を整えてマルチピッチの「右ルート」(IV+)を登ります。1P目は比較的簡単ですが、2P目は慣れないと少し難しいかも。3P目は通称「スベリ台」細かいスタンスを拾いながら思いっきって足をあげていくルートです。初めて登る講習生にとってはスリリングなクライミングだったことでしょう。スタッフパーティーは「鋸ルート」(VI-)を登ります。

 マルチピッチが初めての方もいらっしゃいましたので、マルチピッチの手順、プロテクションの回収、メインロープでのセルフビレイなど、基礎を徹底的に学んでいただきました。三角岩(V)でのクライミングと懸垂下降の実践訓練を繰り返した後は、スタッフのリードクライマー、スタッフ+講習生のフォロークライマーの3名登攀で、右ルートを2P登りました。今回は少し苦労されているように見えましたが、慣れてくれば登るラインがイメージできるはず、頑張ってください。その後、スタッフとセットを確認しあって懸垂下降。50メートル懸垂は初めてだったそう。

 午後は第2スラブ、通称「二スラ」(IV+)へ。どのピッチもピリリと辛いのですが、ハイライトは3P目、スタートから切れ落ちたスラブを細かいスタンスを拾ってトラバース。空中に身が投げ出されます。古いハーケンやリングボルトが多く、初めてだととにかく怖いしルートファインディングが難しい…。

 講習会ではもちろんスタッフがリードするのですが、講習生のみなさんもいつかリードする日がきます。オリソンテ登山学校で経験を積んで、いつかリードにチャレンジしていただきたいと思います。受講していただいたみなさま、どうもありがとうございました。