2019.10.27 二子山中央稜

 台風のおかげで思うように山行ができない今秋ですが、悪天のすきをついて、二子山中央稜でマルチピッチクライミング実践講習を行いました。台風による被害と直前の大雨のためアプローチが心配されましたが、国道299号から西秩父林道を通って登山口に車でアクセスできました。

 まずは駐車場で装備のチェックです。取り付きに着いてからのハーネスがない、ATCを忘れたというミスは案外多いものです。ふだんから出発前に再度装備の確認をするようにしましょう。登山口から5分ほどで股峠に到着します。すこし下ってから魚尾道峠方向の登山道を歩きます。かぶった岩の祠エリアを経由して先に進むと分岐があり、取り付きにつながる傾斜のある踏み跡があるのでこれをたどります。取り付きに着くと前々日の大雨で岩はところどころ濡れていました。しかしスタッフが前日に登って安全にクライミングできることを確認しています。

 二子山中央稜は高さ200メートルほどのミニアルパインルート、全6ピッチです。1P目、2P目は登攀グレードは高くないのですが、初見では登るラインがわかりづらく、濡れている箇所もあってすこし難しかったかもしれません。戸惑っているときにはスタッフが指示を出しました。そして核心の3P目凹角、逆Y字状ふたつのクラックが交わるところのすこし上がなかなか難しい。そのためかボルトが2本連打してあります。右手で石灰岩特有のカチを拾って、細かいスタンスを見つけて足を乗せます。左手でクラックの縁を持ちながら、右手をもう一段上のカチにあげると、あら不思議、次は左手がガバにとどきます。ヌンチャクをつかんでしまった人、ボルトを踏んでしまった人、いつかまたチャレンジしましょう!その後4〜6Pは難しいところはなく、快適に登れました。終了点に到着する頃には晴れ間ものぞき、とても素晴らしい眺望が広がっていました。講習生のみなさまおつかれさまでした。

 今回のようなアルパインクライミング実践講習会は、これまでに岩登り講習会に複数回参加されている実力者を対象とさせていただいております。オリソンテ登山学校では11月以降も三ッ峠、城山、広沢寺などさまざまな岩場で初級〜中級講習会を行います。初級〜中級講習会でギアの使いかたや安全技術を習得し、参加者限定の実践講習会にもぜひご応募ください。