2019.5.19 奥多摩越沢バットレス

 奥多摩、越沢バットレスで岩登り講習会を行いました。越沢バットレスはマルチピッチ主体で中級者向けの岩場ですが、ビギナー、初級者の方でも緩傾斜部でクライミングを楽しむことができます。今回はマルチピッチ技術取得の中級者と、基本技術習得の初級者に別れて講習を行いました。

 中級者はマルチピッチの第2スラブ3Pへ。来月の一ノ倉沢南稜を見据えて、マルチピッチ技術の確認が目的となります。ダブルロープのビレイ、ギアの回収、メインロープでのセルフなど、高度感のある岩場で基本技術を確実にこなせるかチェックです。

 初級者にはまずエイトノットの正しく美しい結び方を学んでいただきました。クライミングにおいてもっとも重要な結び方ですので、しっかりと覚えましょう。美しいエイトノットはテンションがかかっても楽にほどけますよ。その後通称三角岩V級、2スラの1ピッチ目Ⅳ級に挑戦していただきました。クライミングが初めてという方は、まず緩傾斜を登ってロワーダウン、クライムダウンの練習です。また、多くの講習生が三角岩を粘り強く登っていました。

 午後、中級者は第1スラブへ。3P目の垂壁トラバースはあぶみをかけて、乗り越していきます。こういった人工登攀もよい経験となったのではないでしょうか。

 初級者は右ルートを途中まで登り、立ち木を支点とした懸垂下降訓練を行いました。また支点ボードを使って、支点のつくりかたを説明させていただきました。ビギナーの方には少し難しかったかもしれませんが、こういった支点構築技術はロッククライミングだけではなく、沢登り、雪山、アイスクライミングなどいろいろな登攀形態において基本的な技術となります。これらを確実に習得して安全に山行を楽しみましょう。
 受講していただいた皆さま、ありがとうございました。