2020.11.8 三つ峠

三ッ峠屏風岩でロッククライミング講習を行いました。コロナ禍で例年通りのトレーニングができず、登攀レベルや技術レベルを落としてしまっている方も多いように感じます。三ッ峠はIV級程度のアルパインルートが多く、クライミングレベルをすこしづつ戻すにはちょうどよい岩場です。

前日スタッフが岳ルートを登っていたところ、昼過ぎには雨。その後朝方近くまで降ったようです。そのためなのか、みなさん出だしが遅く、8時の段階では数人のクライマーが準備している程度でした。しかし、朝から岩はしっかりと乾き、コンディションは良好!三ッ峠の岩場は風通しがよく、雨の後でも乾きやすいのです。

早速右フェイス下部にロープを張ります。III級~IV級のフェイスとはいえ気が抜けません。このクラスのアルパインルートは難しくないのですが、いろいろな登り方があり、足の置き場に迷ってしまうのも特徴です。ふところを広めにとり、よく足元を見てしっかり立つことが大事です。同じルートを登り方を変えて何度か登っていただきました。

その後中級者はマルチピッチシステム確認のために、上の第一バンドへ上がり、継続登攀できるルートを探します。すでに大勢のクライマーが取り付いていて、III級~IV級のルートは数珠つなぎ状態です。すこし難しいのですが、空いていたクーロワール(V)を登ります。出だしのつるっとしたフェイスと最後の薄かぶりを乗りこえるのが難しかったですね。午後は看板ルートの中央カンテ(IV+)を登ります。このルートでは混んでいるときは岳ルートの支点を使ったり、登るラインも工夫することができます。3Pの途中でカムが回収できなくなり、リーダーがロワーダウンして回収をしました。講習会ではこうしたトラブルは怖がらず、むしろたくさん経験して、対処方法を学んでいただきたいと思います。

期待された秋晴れと見事な富士山とはいきませんでしたが、混みあっている三ッ峠でたくさん登ることができました。講習生のみなさん、ご参加いただきありがとうございました。