2022.07.10 竜喰谷

奥秩父の茗渓、竜喰谷にて講習会を行いました。奥多摩駅から車での道中、国道に一部通行止はあったのですが、昨年には閉鎖されていた花魁橋からの林道は開通していて思ったより早く駐車スペースに到着。この沢は車でのアプローチは長いものの入渓点は駐車スペースのすぐ下というのがとても良いです(曲がりくねった道が続いて運転手以外のスタッフは気持ち悪くなりましたが)。入渓すると、すぐの一之瀬川と竜喰谷が合流して、ほどなく幅広の綺麗な滝が現れます。それを皮切りにナメ床を挟んで手頃な滝を次々と登って行きました。昨年ここに来た時は大雨降りで濁流だったので、全く別の沢に来た印象です。スタート時点ではかなり時間がかかるとふんでいたのですが、講習生の皆さん沢登に慣れたのか、技術の向上もあってか、思った以上にサクサクと進み核心の曲がり滝10mには入渓から2時間かからずに到着。この曲がり滝、真下から見ると黒光していかにも滑りそうな岩壁がそそり立っていてかなりの威圧感です。隊長スタッフはいつも通り何の躊躇もなく(ように見える)リードし始めましたが、流石に少し辛そう。いざ、自分も登ってみるとホールドが豊富な流心側は水飛沫が眼鏡に当たって前が見えなくなるし、溺れたような感覚になります。それを避けようと右に行こうとすると外傾気味の滑る岩に阻まれ難しく感じました。下部にはハーケンが3本、上部には残置のカムもありましたが、隊長はさらに小さいカムを1つ使ってました。講習生の皆さんも滑る岩と水飛沫に苦戦しながらも、全員がしっかり登りきることが出来ました。曲り滝の後も幾つも小ぶりな滝を越えて、スタートからおよそ5時間で右岸に崩壊砂場が現れ間もなく脱渓し、駐車スペースまではとてもよく整備された作業道と林道を使い快適に下山しました。今日は天気にも恵まれ充実した遡行だったと思います。講習生の皆さん、お疲れ様でした。