2022.7.23-24 湯檜曽川白樺沢

 白樺沢出合をベースに1日目は湯檜曽川を少し登って、2日目には白樺沢を突き上げる計画です。白毛門駐車場から出発して晴れるとではとの期待は見事に裏切られ雨となった。林道は所々で小川になっていて最初の渡渉点から見えた滝はダムの放流かと思う程の勢い。入渓前から不安になりました。途中の渡渉も飛び石もなくまだ沢靴でないのにジャブジャブ渡渉を繰り返して避難小屋を経て入渓点に到着。入渓まもなく魚留の滝に到着、滑り易い岩場のへつりや高巻きといきなり気を使います。水量が少なければなんてことはない場所です。白樺沢出合に着いても雨はやまず、水量も多く予定していた湯檜曽への遡行は諦めてビバークと焚火の準備。こんな濡れているのに焚火なんてムリかと完全に諦めた小生を尻目にスタッフ隊長は何の躊躇もなく、びしょ濡れの木を集め、びしょ濡れの小枝を、これが大事など解説しつつ、禁じ手の着火剤を2、3個投入して着火。ほどなく驚いた事に立派な焚火になり、果ては生木や川底の流木まで投入し、雨の中、なんの問題もなく燃え続けていました。絶対ムリと思っていた先入観が覆されるのは衝撃です。講習生の皆さんも疲れと寒さでかなり参っていたようなので焚火ができて本当によかったです。そうこうしているうちに雨は止み夕食が済む頃にまた雨となったのでタープの下で就寝。

 翌朝雨は止んだのですがいぜんとしてかなりの水量で最初のゴルジュは突っ張り突破はムリとロープを出してこれまた滑る右岸を巻き。その後の長いナメ床には大きな雪渓があり講習生からは歓声が上がって、さて通り抜けるかと隊長が確認すると雪が多くて貫通しておらず、雪渓上を歩くことに。雪と気温の差で靄がかかって、途中、池の様にポッカリと穴が空いていて何とも幻想的な景色の中進みました。大滝は雪のため川床まで降りることが出来なかったので、雪渓から直接、滝の左側を登りました。登り切った所に支点は無くハーケン3つを足下に打ちユマールでの登攀です。その後も小滝を幾つも越えて、堰堤状滝は右側から登れそうにも見えましたが、滑る右岸から大きく高巻き、最後のヌルヌルの滝は右側から。途中にハーケン一本のみで足りず、もう一本打ち足してほぼ直上して左に回り込みました。足場はしっかりあるのですが滑る上に手のホールド感が甘く緊張しました。そして、この滝を越えてとうとう登山道にたどり着きました。かなり遅くなったので、下山はかなり急いだものの結局、12時間もの行動時間となり小生はもうヘトヘト。講習生の皆さんも大変お疲れ様でした。