2016.10.22 奥秩父・釜ノ沢東俣

天候に恵まれた22-23日、紅葉がきれいなことで知られる笛吹川水系の釜ノ沢を遡行しました。きれいなナメ沢をもつこのルートは、昔は甲武信岳の登山ルートとしても親しまれた沢です。沢登りにはもう寒い季節です。オリソンテ登山学校のシーズン最後の沢登り講習会となりました。沢は花崗岩系のすっきりしたスラブをフリクションで登攀するもので、釜ノ沢は初級者にもじゅうぶん登れる沢です。
釜ノ沢に入るとすぐに10mの魚止めの滝です。これを左から越えて行きます。さらに進むと釜ノ沢のハイライトともいえる千畳のナメが現れます。紅葉のトンネルの中ひたひたとスラブの上を歩いて行きました。やがて東俣と西俣の分岐ですが、ここには両沢から両門の滝が流れ落ちています。圧巻の眺めです。千畳のスラブを抜けるとゴーロ地帯に入いりました。左岸側には台地上の地形があり、ビバークポイントとしての適地が随所にあります。錦秋の釜ノ沢は入渓パーティも多く、この日は3~4パーティほどが入山していました。もう寒い季節なので幕営はタープでなくテントにしました。ビバーク地には午後2時過ぎに到着。テントを張ると次は焚き木拾い。夕飯はFD食品で名高い天野フーズの新製品、とんかつの玉子とじ。FDとは思えないしっかりとした味でした。
翌朝は7時に出発。ゴーロ地帯を抜けてナメと小滝が続くルートをさかのぼります。午前11時前、甲武信小屋のポンプ小屋が見えてきました。ポンプ小屋の湧水でたっぷりのどをうるおし、甲武信小屋へと登りつきました。下りは戸渡尾根を取り、途中から徳ちゃん新道に入り、3時間ほどで下山しました。下山後は笛吹きの湯で汗と疲れを流して帰宅の途につきました。青い空に錦秋の山肌、ナメの登攀と贅沢な沢旅でした。講習生にも満足いただけたようです。