2019.5.2-5.5 劔岳 八ッ峰主稜

10連休だったゴールデンウィーク、オリソンテ登山学校(鈴木彰、山下)2名が八ッ峰で雪稜登攀をを行いました。GW前半は天気が悪く、好天機会を狙っていましたが、5/4がワンチャンスと見て5/2に扇沢に向かいました。1日目は室堂から雷鳥坂を登り、劔沢にテントを張りました。2日目は予想通り風が強く、1-2峰への取り付きと雪のコンディションを偵察しました。数日前の雨のおかげで雪面はほどよくしまって雪崩の心配はなさそうでした。

 5/4 03:00に劔沢Cを出発。日の出と共に長次郎谷に取り付き、1-2峰ルンゼをダブルアックスで駆け上がります。06:45に1-2峰間の小ピーク。ここからが長い長い八ッ峰縦走の始まりです。予想通りの無風快晴、絶好の雪稜日和となり360度の大絶景。しかしいきなりヒヤヒヤするクライムダウンから始まり、この先が思いやられました。その先はナイフリッジと懸垂下降の繰り返しで、ギザギザの切れ立った稜線をアップダウンします。9時ごろから雪がゆるみだしてグズグズのくされ雪となり、足元にとても気を使うコンディションとなりました。

 一息つける5−6峰コルに到着したのは12時、予定よりかなり時間がかかっています。ここが最初で最後のエスケープポイントでしたが、迷わず6峰への急登に取り付きます。その後の極細ナイフリッジや雪壁のクライムダウン、土嚢懸垂などにメンタルを削られながら、八ッ峰の頭へ到着したのは日没直前の18:30でした。富山湾、能登半島へ沈む夕日が素晴らしく、その日の疲れを忘れさせてくれました。ヘッデンで池ノ谷乗越から長次郎谷をくだり、21:00ごろに長次郎谷出合でビバーク泊としました。

 体力、技術、メンタル、すべてが試されるルートでしたが、やはりこの時期の劔エリアは景観、スケールともにすばらしく、またいつかチャレンジしたいと感じました。