2022.8.22-23 万太郎本谷

谷川連峰の銘溪と言われる万太郎谷本谷にて一泊二日の沢登り講習会を開催しました。

初日スタート時点は晴れ。土合駅前に集合し電車で土樽へ。駅から高速道路の間を過ぎて林道を少し歩いて入渓、その辺りから雲行きが怪しくなり今回もまた小雨の中の遡行になりました。しばらく穏やかな登りが続き、深い渕のオキドウキョは水量多く正面から抜けるのは諦めて左側から巻きました。やっと辿り着いた第一ノ滝は全体に濡れていて出来れば登りたく無い様相でしたが結局、左側から登ることになりました。真っ黒くヌルヌルになっていて、一旦、登り始めたら逃げ場が無さそう。手も足も信じられないなかを何とか突破。予定通り9時頃に土樽を出発したのに、この第一ノ滝を越えたあたりで夕方5時を過ぎてしまったのでビバーク地を探しました。何とかそこそこ広い場所を見つけて、タープも張れて、少しほっとしました。しかしそれも束の間、降り続く雨の中では着火剤があっても焚火の火がすぐ消えてしまいこのまま震えて一晩過ごすのか、しかも雨で水量が増してビバーク地のすぐそこまで川の流れが迫っていて、これ以上に降るとまずいのではとはらはらしました。雨で唯一良かったのはタープに溜まった水を飲み水に出来たことでしょうか。この沢の水は泡立って少しにおいもあって、積極的に飲む気になれませんでした。夕食が終わる頃に雨は止んで水も引きはじめて、焚火で暖を取ることも出来たので何とか落ち着いて眠ることが出来ました。

二日目は曇り。二ノ滝は右側から草つきの岩場を登り落口を左側へ。しばらく小滝の続く開けた沢を進むと第三の滝の下段と他の沢の合流点に到着。下段は右側から上がって途中、少し左側へ移動したあたりで上段へのテラスに登る所が浅いクラック状になっていて、けっこう難しいと感じました。ニ段目は、右側の草付きから回るか、滝を横切るクラック沿いに上がるかしばし検討して結局、クラックから流れ沿いに上がりました。そこもおっかなかったのですが、更に厄介なのは、ニ段目の下からは見えなかった上の方がとにかく滑る。講習生の皆さんはこの辺りで疲れも出てきて、かなり苦戦していた様です。何とかこの難所も超えて、笹原と沢を行ったり来たりの後は、沢筋を小屋まで詰め上げました。当初、ロープウェーで下山するかそれとも頑張って西黒尾根を下るかどちらにしようなどと呑気なことを話していたのですが、小屋に着いた時点で夕方4時。既にロープウェーの選択肢は無くなっていました。そこから、西黒尾根経由の下山は急で長い上に途中、大雨で道が川になるわで苦難の連続。結局、土合に着いたのは夜8時になってしまいました。前回の白樺沢に続き、長い山行になって大変でしたが無事に下山できて良かったです。講習生の皆さん、大変、お疲れ様でした